就活のパワーバランス

 今年、「2017年は人手不足で売り手市場であるため、就活生が有利」といった話を聞きます。こういう記事などがあります。

【就活本番】面接解禁まで3カ月の短期決戦、今年も「売り手市場」 - 産経ニュース 
 

 個人的には、例えば去年よりも今年の学生が有利だとか、学生間の比較なら有利不利もわかります。ですが、人手不足程度で採用側の有利性が失われるとは到底思えないので、「学生が有利」の意味がよく分からないんですよね。学生が有利ってことは比較的、学生の意図通りに就活が進み就職できる状況にある、という理解でいいんでしょうかね。

 

 まず、採用側は新卒採用という行事をおそらくは今まで何度もやってきていますよね。積み重ねた技術や知識がある点や、今までにもやってきているという安心感、1年くらい採用せずとも致命傷にはならない余裕がある、などは、就活生にはない有利な要素ですよね。時期が変わるから今までの情報にそのまま使えない部分がある、学生だって周囲から情報を集められる、既卒を採るところもある等の前述の有利な要素を弱めるような要素もあります。しかし前の2つについては、学生も採用側も程度に差はあるのかもしれませんが、同じような条件ではないでしょうか。いっそ、今までにも就活の状況の変化はあったわけで、それらに対応してきた経験のある企業側に有利とすら思います。3つ目については最近は多少は改善されてきているのかもしれませんが、2014年の記事( 大学と就職】8割の企業が採用しない? 既卒の就職活動の厳しい実態 | リセマム )などを見ると、「今年就活はもう諦めて新卒という身分を捨て、来年また頑張ろう」という選択肢を積極的に選ぶ理由はないように思います。ですから結局、学生側には1度しかない新卒の時期になんとかするのがベストに思えます。

 

 上記のような理由で、人手が少し減ったくらいで学生側が有利になるとは到底思えません。

 

20170417